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Age of Sail
Age of SailMandC / ヘッド
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ヘッドのお話 anchor.png

人間食べれば排出しないといけない。これは時代、地域を問わず人間の抱える重要な問題である。映画の中でヘッド(トイレ)で水兵が用を足しているシーンがあるのだが、当時の帆走軍艦では一体どうなっていたのだろう。

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水兵 anchor.png

当時の帆走軍艦では、艦首に水兵専用のトイレがあった。艦首(beakhead)にあったことからヘッド(head)と呼ばれる。
HMSサプライズはフリゲート艦だが、約190名に対して艦首に2箇所しかなった。HMSビクトリーのような第一等級戦列艦でも約800名に対して6箇所だった。

トイレといっても艦首の格子板張りに丸い穴の開いた椅子があるだけである。ちなみのこの椅子はくつろぎの椅子(Seat of ease)とも呼ばれる。艦首の格子板張りの下は海面である。つまり排泄物はそのまま海の中に落ちていったわけである。
艦首は常に海水に洗われるので、綺麗かと思えばさにあらず、何百人もの人間が用を足すのであるから、排泄物にまみれた場所であったらしい。なので掃除が必要なのだが、掃除は懲罰の一種であった。鞭打ちを行うまでもない軽い罪を犯した者への罰としてトイレ掃除が命じられた。ちなみに今でもトイレ掃除を行うものをヘッド・キャプテン(Head Captain)と呼ぶのはここから来ている。
このヘッドはとても恐ろしいところだった。常に波風に洗われ、夜は明かりひとつ無い場所。嵐のときは熟練水兵でも波にさらわれ、そして海軍の悪しき習慣も行われたらしい。そんなことから、ヘッドに行かないで用を足すものの多かった、どうやって? バケツ、たらい等手近な物を使うのである。そして艦外にそのまま捨てた。しかし、荒天ともなれば艦外に捨てることなど出来ない、なので下層甲板は排泄物と吐瀉物にまみれた場所と化す。いったいどんな匂いがしたのか想像もつかない。小用の方は艦の最下層にあるビルジ(汚水溜である)にするということも行われていたようである。

戦列艦では、同じ艦首にあるヘッドでも個室があったが、これは准士官用であった。

トイレットペーパーなどというものは無かった。ではどうしていたかというと、古いロープの切れ端を使用していた。

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ヴィクトリーのヘッド
roundhouse1.jpg
ヴィクトリー准士官用
roundhouse2.jpg
内部
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士官 anchor.png

士官は当たり前だが艦首などには行かない。艦尾の士官専用のスペースで用を足した。
艦長はクォーター・ギャラリーに専用トイレを持っていた。クォーター・ギャラリーは、両舷に有るが、通常はどちらか一方のみ(映画では右舷)であり、空いている方は倉庫などに使用していた。

 その他の士官は各自のキャビンのおまるである。しかし、戦列艦の場合、士官室にもクォーター・ギャラリーがあったため、そこに士官専用トイレがあった。掃除をするのは各士官の従兵である。

ちなみに、1等級戦列艦であるHMSヴィクトリーの場合、旗艦ということもあるのであろうが、提督、艦長用のトイレは水洗式であった。又、一等海尉は右舷のクォーター・ギャラリーを専用に使用していた。

quatergallery.jpg
ヴィクトリーの艦長専用トイレ|

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最終更新: 2012-03-10 (土) 21:27:38 (JST) (4444d) by captaintadano
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